2008年7月16日水曜日

親族外承継

本日7月16日の日経新聞に、『「親族外承継」広がる』という記事が出ていました。


記事で紹介されている企業のうち一つは、経営者が会長に退き、後継者として新しい社長に一社員を指名したそうです。この経営者には、二人の息子がいるそうですが、共同で会社を設立して、この企業とライバル関係にあるそうです。
経営者は後継者の後見役となっているようです。


また、別の企業では、長男などに承継を断られた経営者が、やはり社内から後継者を指名したそうです。1997年に社員を後継者に指名、常務に抜擢、2003年には社内に次期社長であることを公表したそうです。そして2008年に後継者が社長に就任したそうです。
長男などに承継を断られてから10年以上の時間をかけて、事業承継が完了したとのこと。


現在、僕たちの中心的な仕事は、事業承継のお手伝いです。
船井財産コンサルタンツ高松と顧問契約をいただいているお客様の多くが、事業承継ニーズをお持ちです。
僕たちのお客様のほとんどが親族内承継をご希望されています。
親族内承継であっても親族外承継であっても、問題になるのは株式の移転です。


中小企業は所有と経営が一体化していますし、そうあるべきです。
所有と経営が一体化しているのが理想ですが、そう考えると事業承継は、株式の移転を考えていかねばなりません。
株式の移転には、必ず税制の問題が生じます。
記事には「事業承継で相続税が深刻な問題となるケースはごく一部」とありますが、僕たちのすべてのお客様が深刻な問題を抱えています。
中小企業経営承継円滑化法は成立しましたが、これは「相続」を対象としています。親族外承継は対象外です。
親族外承継で、株式を移転する場合には、現オーナーと承継する側の双方が納得する条件での株式移転方法を検討していかねばなりません。
親族内承継する場合にも、中小企業経営承継円滑化法には問題もあるので、十分な検討が必要です。


中小企業経営承継円滑化法の話しに流れましたが、要は、最終的に株式の移転を検討せねばならず、それに向けて周到な準備が必要ということです。
例えば、
①事業承継計画の策定
②事業計画策定(あるとなお良い)
③後継者育成スケジューリング(役職の格上げスケジュールを含む)
④社内への周知時期、周知方法の検討
⑤株式の移転についての検討(移転するかどうか、何株するか、移転手法など)
⑥現状株価と株価推移シミュレーション(将来予測をしたほうが良い)
⑦必要であれば株価引き下げ対策の実施
⑧現経営者退職金資金準備
⑨必要であれば現経営者相続対策
⑩後継者が株式を買い取る場合はその資金調達を検討
などを検討していく必要があるでしょう。


「⑤株式の移転についての検討」は、以外に甘く考えている経営者や財務担当者が多いことに驚かされます。
その企業や経営者、後継者にとって最良の選択をしなければ、税コストは馬鹿になりません。馬鹿にならないどころか、とんでもない課税額になって、後でどうしようもなくなっているケースも散見されます。


「⑥現状株価と株価推移シミュレーション」については、このような情報を提供してない会計事務所が多いことに驚かされます。今動かす方が良いのか、あるいは来期、もう少し先が良いのか、これもタイミング次第で大きな差が生まれます。


「⑦必要であれば株価引き下げ対策の実施」は、「必要であれば」と書きましたが、検討したほうが良いでしょう。その法人の株価が上がるのは、利益が出ている場合です。利益が出ているので、当然法人税を払っています。
法人税を払って、自ら株価を上昇させ、相続税や贈与税、あるいは譲渡所得税を個人で再度負担することになるのです。


「⑧現経営者退職金資金準備」ですが、退職金のことを漠然と考えている方は多いのですが、問題は退職する期に退職金支給できるだけのキャッシュと利益があるかということです。
どちらも準備できるよう、準備していくことが重要です。


記事によると、後継者をこれから決める経営者のうち、「親族内で承継したい」と考える経営者は10%だったそうです。
僕たちは、今お手伝いしている親族内承継のお客様に、様々なことを検討して提案しています。
親族外承継は、さらに綿密な計画が必要になるのだと思います。

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