2009年2月22日日曜日

失敗に学ぶ不動産の鉄則

こんにちはo(^▽^)o
幸田昌則氏の最新著書を読みました。
「失敗に学ぶ不動産の鉄則」です。




失敗に学ぶ不動産の鉄則 (日経プレミアシリーズ)/幸田 昌則



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幸田昌則氏の著書は、以前にもご紹介したことがあります。
「下がり続ける時代の不動産の鉄則」です。


下がり続ける時代の不動産の鉄則 (日経ビジネス人文庫)/幸田 昌則



¥700

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今は文庫本サイズになっていますが、初版は2003年8月です。
丸5年が経過し、もうすぐ6年となりますが、まったく内容が色あせることのない良書です。
住宅購入を検討中の個人の方にはもちろんですが、不動産を多く保有するいわゆる土地持ち資産家の方、法人で事業用不動産の売買を検討中の経営者の方、そして財務リストラが必要で遊休資産を抱えている法人の経営者の方、不動産取引を考えているすべての方へお勧めできる一冊です。


そして、2009年1月、待望の新刊です。
バブル崩壊により崩れ去った土地神話。
日本人は学習したと言われ、バブルはもう起きないと言われていましたが、再び土地バブルは形成され、弾けてしまいました。
「失敗に学ぶ不動産の鉄則」では、なぜ不動産投資(住宅購入を含む)で多くの人が失敗を繰り返すのか検証しています。
そしてその失敗事例から、どのような投資活動がよりリスクを抑えたものになり、成長していくための本質的な投資になるのかを検証しています。


詳細は本を読んでいただくこととし、2点だけご紹介します。


1点目は、不動産長期保有がリスクになるということです。
幸田昌則氏は、本書の中で「不動産長期保有が『リスク』となる時代」が到来したと主張しています。
日本の社会構造の変化の中で特筆すべきは、人口の増加が止まり、いよいよ減少に向かいはじめたこと。人口減少がこのまま続くと世帯数は減り、住宅の需要も減少していくとのこと。
ちなみに、船井財産コンサルタンツも同じ考え方をしています。
同時に、世界的な競争時代になり、勤労者の所得の伸びも鈍化したり、むしろ所得水準が下がる傾向にある。住宅や土地の価格の上昇にも限界が生じるとのこと。
このような変化の激しい時代では、「従来の『常識』が『非常識』になる」と認識する必要があり、その一例が、不動産の長期保有についての考え方とのこと。
日本では「土地神話」の影響が今でも残り、不動産は長期保有により資産形成を実現できるという過去の常識から脱することができずに苦悩している人が増えているそうです。
実際に、弊社のお客様でもそういう方がいらっしゃいます。
最近の不動産を取り巻く事業環境のスピードは非常に速く、2、3年先でも予測が難しくなっています。ましてや20年30年先のことなど誰にも分かりません。
少なくとも日本では、不動産の長期保有は、それだけリスクも高くなるため、事業としては必ずしも得策とは限らないと認識すべきとのことです。


2点目は、「見切り千両」という言葉の意味を改めて考えさせられたということです。
幸田昌則氏は、本書の中で「成功の基本は『見切り千両』」と主張しています。
もはや「土地神話」の復活は望めず、商売の基本である「見切り千両」を意識し、見切るという決断をせよとのことです。
あまりにも良い言葉ですので、以下本書より抜粋します。


「米沢藩主、上杉鷹山の言葉として伝えられています。そこには次のようにあります。
一、働き     一両
二、考え     五両
三、知恵借り  十両
四、コツ借り   五十両
五、ひらめき   百両
六、人知り    三百両
七、歴史に学ぶ 五百両
八、見切り    千両
九、無欲     万両 」


本書のなかで、この「見切り千両」という考え方は、今後多くの不動産業者に必要になる考え方だと紹介されています。
その通りなのですが、個人の土地持ち資産家、住宅を売却しようと考えている個人、遊休不動産を保有している法人にとっても重要な考え方です。
上杉鷹山の教えによれば、「無欲」であることが最も価値があることです。これが最も難しいのです。
売却するとなると、大多数が「無欲」ではいられません。
なので「見切る」ことができないのです。


昨年初頭に、僕たちのご提案により遊休不動産を処分された法人(以下、法人Aとします)のお客様がいらっしゃいます。
顧問契約をいただき、財務面でご相談をお受けし、ご提案をさせていただいているお客様です。
平成19年中頃に、ある遊休不動産の処分をお勧めしました。ある地方都市の不動産で、かつてはその会社の支店として使っていた物件でした。
平成19年というと、不動産価額がピークを迎えていた年です。
その地方都市は、かつては栄えていましたが今は街全体が衰退しつつあり、大都市圏の不動産の価格が上昇していた平成19年現在でもその地方都市の地価は下落が止まった程度でした。


その地方都市の不動産についても「もしかすると上がるかもしれない」と淡い期待を抱く人も多くいました。
ですが、僕たちは価格が横ばいとなった今こそ「見切り」のチャンスとみて、売却をお勧めしました。
その時に法人Aの社長がおっしゃった言葉を今でも記憶しています。


僕たちが売却をお勧めし、社長は少し黙って考えられ、「分かった」とすぐに決断をされました。
不動産の売却による儲けは期待できません。
その懸念をお伝えすると、社長は「あの不動産には商売で儲けさせてもらった。そして今回、売却ができればそれだけで今後のプラスになる。売却で少々損をしても良い。」とおっしゃいました。
半年後、ほぼ簿価で売却が完了しました。ほんの少しだけ売却益も出ました。平成20年初頭のことです。


平成20年3月以降、世界の経済情勢は激変しました。
日本の不動産市況も大きな影響を受けました。


結果的にですが、法人Aは最も良い時期に不動産を処分することができました。
社長には、僕たちがご提案が良かったと喜んでいただいています。
しかしながら、本当の意味で良かったのは、社長の決断です。
遊休不動産に対する「無欲」が「見切り」を決断させ、よい結果がもたらされたのです。


「失敗に学ぶ不動産の鉄則」は、まさに「今」という時代における不動産という資産をどのように考えるべきか、指針となる一冊です。

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