2009年4月21日火曜日

風林火山と天地人に学ぶ事業承継

おはようございます(^-^)/
4月1日から事業承継税制(あまり使えない)もスタートし、事業承継はますます盛り上がっています。
弊社へは連日のようにお取引先からの紹介や講演の依頼が入ります。ありがたいことです。


さて、今年の大河ドラマは「天地人」ということで、上杉景勝の名補佐役として知られる直江兼続が主役となっています。
ということで、今日は、面白い事業承継関連本をご紹介したいと思います。


「武田家滅亡に学ぶ事業承継」と「上杉謙信に学ぶ事業承継」です。


武田家滅亡に学ぶ事業承継/北見 昌朗



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上杉謙信に学ぶ事業承継/北見 昌朗



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「武田家滅亡に学ぶ事業承継」は2006年6月の発行です。
「上杉謙信に学ぶ事業承継」は2007年6月の発行です。


僕は、「上杉謙信に学ぶ事業承継」が出た時に二冊同時に読みました。
ちょうど、大河ドラマで「風林火山」が放送されている時期と重なり、タイトルだけで興味が湧いた記憶があります。


これまで何度か、事業承継対策をなかなかスタートできない方にご紹介してきました。セミナーで講師をさせていただいた時にも何度かご紹介をしました。
「天地人」がスタートし、再読してみましたが、読むたびに新しい発見がある良書です。


著者北見昌朗氏は、武田信玄も上杉謙信も家督相続に失敗したと言いきっています。
武田信玄死後10年で武田家は滅亡しますが、上杉家は明治まで存続しました。
信玄も謙信も家督相続(事業承継)に失敗しながら、なぜ上杉家だけが明治まで生き残ることができたのか、興味が湧いてきませんか?


著者は、信玄の失敗は、
①家督相続を死ぬまで行わなかった
②勝頼を「代理の当主」にするという中途半端な禅譲を行った
③勝頼を軽んじる幹部を残し、後継者がやりにくい状態にした
と分析しています。


その上で、継がせる側のための十の教訓を挙げています。
①子供に必要以上の金を与えて甘やかすな
②子供に適性がなければ継がせるな
③早くバトンタッチしろ。子供を何人も会社に入れるな
④後継者に苦労をさせろ
⑤任せた以上、後継者を信じて任せきれ
⑥後継者がやりやすい体制をつくれ
⑦自分自身が健康に留意して長生きしろ
⑧株式の分割をするな。後継者に株式を100%譲るべし
⑨相続税対策を講じておけ。遺言を残せ
⑩子に継がせたければ会社を大きくしすぎるな


そして、継ぐ側のための十の教訓も挙げています。
①継ぎたくなければ継ぐな
②先代から謙虚に学ぶべし
③先代の幹部に謙虚に接すべし
④社史もしくは父母の自分史を作れ
⑤現場で汗まみれになって仕事を覚えろ
⑥新たな事業を創業しろ
⑦自分の幹部を作れ
⑧早く結婚して、次の後継者を育てろ
⑨大きな会社ならば妻を入れるな
⑩事業の見込みがなければアッサリと止めろ




著者は上杉家の事業承継を分析し、継がせる側の十の教訓を挙げています。
①人間、誰しも寿命があることを自覚すべきだった
②万一の場合に備えて後継者を指名しておく
③後継者同士を競わせてはいけない
④企業の生き残り競争は「経営者の長生き競争」である
⑤酒に注意すべし
⑥身体が変だなと思ったら無理しない
⑦遅くとも65歳までに引退する
⑧後継者に補佐役を付ける
⑨後継社長がオーナーにならなければいけない
⑩ふさわしい後継者がいなければ会社を売る


そして継ぐ側のための十の教訓も挙げています。
①先代のことを肯定した上で継ぐべき
②先代と自分をあまり比較しないほうが良い
③トップは情勢の変化に対応すべし
④身の丈に合った経営をするべし
⑤社史や先代の歩みを作り会社の歴史を語り継ぐべし
⑥補佐役を持つべし
⑦古参幹部の話しを聞く耳を持とう
⑧財政が苦しくなっても家臣を切らない
⑨一致団結して難局を乗り切る
⑩自分自身もきちんと後継指名をしておく


いずれも素晴らしい十訓です。
二つの書籍は、現代のビジネス書としても良書です。
戦国時代のトップの考え方は、現在の経営にも参考になる部分が大いにあり、二つの書籍ではトップの考え方も勉強することができます。
また、現代の事業承継失敗談も多く盛り込まれており、円滑な事業承継のためには長い時間をかけた十分な準備が必要であることが分かります。


事業承継対策の検討をスタートできない方にはぜひお勧めしたい書籍です。

2009年4月16日木曜日

がんばれ 遠賀タクシー

こんばんは(^-^)/
4月7日放送のガイアの夜明けでタクシー業界の新しい動きを特集していました。
その中で、福岡県の遠賀タクシーの取り組みが紹介されていました。


遠賀タクシーは、画期的な新料金体系とそれをささえる新料金メーターを開発し、乗客の支持を得、業績を伸ばしていました。
ところが、国交省がその新料金体系に継続の認可を与えなかったとのこと。
かなり省略しましたが、こんな内容でした。
国交省が新料金体系を認めなかったのは、お決まりの「前例がないものは認められない」という理由のようです。


関連するように、日経ビジネス4月13日号の「敗軍の将、兵を語る」に、遠賀タクシー社長の怒りが伝わる記事が掲載されています。
番組では紹介されなかった内容も紹介されており、新料金体系と新料金メーター(合わせて『ゾック』という名のシステム)が、乗客とタクシー会社の双方にとってどれほどメリットのあるシステムであるかが再確認できます。


番組と記事両方で紹介されていましたが、ゾックを稼働させるために、遠賀タクシーは行政機関の驚くべきハードルをクリアしています。
料金形態は国交省(九州運輸局)の認可が必要で、タクシーメーターは経済産業省の認可が必要なのだそうです。
しかもタクシーメーターは耐久試験が必要で、その耐久試験は独立行政法人産業技術総合研究所が担当するのだそうです。


数々のハードルを乗り越え稼働し始めたゾックは、稼働から1か月でその認可期間が切れ、継続が認められなかったというのです。
番組では、「認可が出ませんでした。でもゾックのタクシーは走ってます。」的な終わり方をしていましたが、記事を読むと、現在は無認可で走っているのだそうです。
遠賀タクシー社長は覚悟を決め、変革を起こすべく、無認可ゾックを継続稼働しているようです。
なによりも、サービスの利益を受ける乗客がゾックを選択しているということに注目すべきです。無認可となった今でも1日300件の利用があるそうです。


恐るべし石頭行政。
無駄なセグメントにより、無駄な仕事を増やし、税金が無駄に使われています。
そして、本件では新しい価値を何も生んでいません。


日本は、少子高齢化を突き進んでいます。
自分で車を運転しない人が増えるはずです。今後はタクシー需要が増えるのではないでしょうか。
でも、規制で守られてサービス以上の料金を要求するタクシーを、本心で利用したいという高齢者がどれほどいるのでしょうか。


健全な競争が行われるなかで、より良いサービスが生まれ、良いサービスには乗客も納得して料金を支払うでしょう。
結果的には、それが安い運賃なのかもしれません。
問題は、その良いサービスの本質は何かということです。僕は個人的には、運転手の方がわざわざタクシーを降りて、ドアサービスをしてくれるのが本質的なサービスとは思えません。
遠賀タクシー社長は、番組の中で「タクシーは密室であるが故に、もっとも不快な乗り物にもなり得るし、もっとも快適な乗り物にもなり得る。」と言っています。


その通りだと思います。
ゾックは納得して料金を支払えるシステムで、このような明朗なシステムがあれば、高齢者のタクシー利用を喚起することもできるでしょう。
高齢者が安心して移動できる移動手段は、今後ますます必要となります。
移動手段が確保できていれば、消費も期待できます。
地域社会も潤います。
行政機関は、本来であればこのような全体最適化を念頭においた判断をすべきなのです。

2009年4月14日火曜日

持株会社で一元管理

こんばんは(^O^)/
本日の日経新聞四国面に興味深い記事が掲載されています。
徳島のタカガワグループが、持ち株会社によるグループの一元管理に乗り出すとのこと。
ホールディングカンパニー(HD)がグループ各社の株式を保有するだけでなく、資金管理、施設賃貸、企画など幅広く全体を統括するとのこと。


タカガワグループは事業法人だけでなく、病院や有料老人ホームの経営にも関与しています。
ゴルフ場やホテルの運営会社の株式はHDが保有、病院や有料老人ホームについては所有する施設を賃貸するそうです。


HDは、グループ各社に運営資金を融資し、運営委託している学習塾を除く全法人に理事・役員を派遣するそうです。事業運営の企画や管理もHDが一括して行うそうです。


HDにはグループ各社から利息、施設賃貸料、管理費が入る仕組みになっており、今後も収入の増加が見込まれるそうです。
HDがグループ会社の資金を吸い上げ、グループ各社の資金需要にスピーディに対応し、事業拡大を目指すようです。


非上場会社におけるHDの新しい利用形態です。
HDで上場している上場会社を見ても、本当にHDがグループ会社を運営面で統括している会社は少ないのではないでしょうか。


事業承継コンサルティングで持株会社利用スキームをご提案するケースが増えてきていますが、純粋持株会社として考えるケースがほとんどです。
事業が多角化している企業グループの多くに、事業承継と事業拡大を両立させるアイデアとして検討の価値がありそうです。





2009年4月7日火曜日

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし

おはようございます(^-^)/
国税庁のホームページに「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし
」が公開されています。
かなり分かりやすく説明されています。
事業承継税制を確認したいオーナー経営者にはお勧めです。


事業承継税制は、H20年税制改正大綱で相続税の納税猶予制度が発表されましたが、「使えない」内容でした。
ところが、H21年税制改正大綱により、贈与税の納税猶予制度が突然発表され、この贈与税の納税猶予制度により利用価値が高まりました。


議決権の2/3に達するまでの株式の贈与に係る贈与税は、全額納税猶予されます。
納税猶予された課税の出口は相続です。
贈与株式は、相続時に他の相続財産と合わせて相続税が課税されます。
この相続時の財産評価額が、贈与株式については贈与時の評価額となります。
つまり、低い株価のときに、贈与税納税猶予制度を利用して株式を移動し、相続のときには評価額が上がっていたとしても、贈与時の低い株価で財産評価を行うため大きなメリットが生じます。
逆に、相続時の株価が贈与時よりも下がっていれば、デメリットとなります。


リスクはありますが、上場株式相場の影響を受けて、非上場会社の株価は放っておいても下落しています。
このタイミングを株式の移動のタイミングと見て、新しい税制で株式の移動を検討しているお客様も多くいます。


「特例のあらまし」を見ていて、お客様へのご説明の際に抜けていた事に気が付きました。
相続税納税猶予でも贈与税納税猶予でも、この特例を利用するためには、「納税猶予される税額と利子税に見合う担保を税務署に提供する必要がある」ということです。


事業承継税制のセミナーなどでは、担保提供の担保物は当該非上場会社の株式という説明がなされていた記憶があります。
もし、非上場会社の株式を担保提供するのであれば、株式の発行が必要になると思われます。
これまでは中小零細企業のほとんどが、株券発行会社でありながら、実際には株券を発行していないみなし不発行会社でした。
会社法施行後、株券不発行が原則となり、僕たちのお客様にも機会があるたびに株券不発行会社への移行をお勧めしてきました。


株券発行会社でありながら株券現物を発行していない会社も、株券不発行会社も、この特例を利用するのであれば株券を発行しなければならないのか?という疑問が湧いてきます。
また、株券を担保提供しないのであれば、別の何を担保提供するのかということにも興味がわいてきます。
「特例のあらまし」では、「担保物の提供方法については、税務署にお尋ねください」とあるだけです。
今後の要確認事項です。


ついでに国税庁HPを確認していると、「上場有価証券の評価損に関するQ&A
」もアップされていました。
法人が保有する上場有価証券の評価損計上については、厳しいというか、取扱いが明確でない通達があり、実務上は、有価証券の評価損の法人税法上の損金算入は難しい場合が多かったのですが、取り扱いを明確にするという目的で、Q&Aが公表されています。


このQ&Aによると、必ずしも2年間続けて当該有価証券の時価が簿価の50%以上下落した場合でなければ損金算入が認められないということでばないとされています。
評価損を出しやすくなったという感じもしますが、相変わらずあまり明確ではないような気もします。


上場株式相場が悪化しているため、放っておいても、非上場会社の株価は下がっています。
業績悪化も重なり、さらに株価が下がる可能性が高い非上場会社が増えています。
ついでに、もう少し利益圧縮してさらに株価を下げることを考えている非上場会社も増えています。
利益圧縮の一手段として、含み損を抱える有価証券の処理は多くの非上場会社が考えています。
有価証券の含み損の実現として、税務上の安全策として、売却を最優先で検討している企業が多いようですが、このQ&Aを参考に、評価損の計上を検討してみるのも良いのではないでしょうか。

2009年4月1日水曜日

地価再下落

こんばんは(^-^)/
少し前のことですが、3月23日、公示地価が発表されました。
3月24日の日経新聞記事によると、全国約28,000ヵ所の調査地点の中で、上昇地点は23ヵ所のみで、多くの地点で地価が下落したとのこと。


この日の日経新聞の21面を見ると、面白いグラフが確認できます。
地価の変動率と株価の推移を示したグラフで、1974年から2009年までの日経平均株価の推移と、商業地の公示地価(3大都市平均)の推移を同じグラフで重ねて表示しています。


財産三分法って聞いたことないですか?
財産を、株式、債券、不動産の三つに分けて分散投資すると、これら三つの資産は価格変動の相関性が低いため、一つの資産に集中投資するよりもリスク分散できるという理論です。


僕は、以前から株式と不動産の相関関係が低いという論には疑問を感じていました。
株式相場が好況のときは不動産価格が上がり、株式相場が不況のときは不動産価格が下がるイメージがあったからです。


3月24日の日経新聞に掲載されているグラフは、その僕の疑問を解決に導いてくれるグラフでした。
1974年から2009年までの長期間に亘る株式と不動産の価格推移です。
長期で見ると、やはり株と不動産は相関関係があるのです。


そして、もう一つ興味深いのは、株価が不動産価格の先行指標になっている点です。
株が上がれば不動産が上がり、株が下がれば不動産も下がることが確認できます。


本日の日経平均終値は前日比242円高の8,351円です。
ここ数日は、若干落ち着きが見られます。
不動産市場も、個人市場は少し動きがみられるようです。


翌日3月25日からの日経新聞では、地価再下落という特集記事を3日間に亘って、㊤㊥㊦と掲載しています。
㊥では「企業収益が本格的に回復しない限り、地価の上昇ものぞめない構造だ。」とくくっています。
㊦では「景気の悪化で再び下がり始めた地価。だか下がった地価をうまく生かせば、企業の新ビジネスや投資をよび、個人の消費拡大や街づくりにつながる可能性も秘めている。」とくくっています。


やはり、企業活動と不動産価格は切り離せない関係のようです。

米国不動産の奥深さ

こんにちは。 7月17日から7月18日にかけて九州へ出張しました。 岡山駅で乗り換えたのですが、駅のなかのコンビニエンスストアの棚の品数が少なく、一列空いてしまっている棚もありました。 大雨災害のため物流に影響が出ていて、商品の補充ができていないのだとか。 まだまだ大きな...