2010年12月22日水曜日

大増税時代突入の税制改正

こんにちは(^O^)/
とんでもない税制改正内容が公表されました。

平成23年度税制改正大綱が平成22年12月16日に発表になりました。
内閣府から税制改正大綱が、経済産業省から平成23年度税経済産業省関係税制改正という資料が公表されています。

まず、法人税の実効税率が5%下がりました。
平成23年4月1日以後に開始する事業年度からです。
3月決算の法人は、来期から法人税実効税率が5%下がります。間もなく税制改正のメリットを受けることができます。
2月までに決算を迎える法人は、翌々期から法人税の実効税率が下がります。今期と来期、タックスプランニングを確実に実行できれば、財務力を強化できます。

法人課税所得が年800万円以下の部分については、さらに税率が引き下げられています。
年間法人課税所得800万円以下の部分については、現行税制は、本則22%で平成21年4月1日から平成23年3月31日までは18%に引き下げられています。
税制改正により、本則19%に引き下げられ、平成23年4月1日から平成26年3月31日までは更に3%引き下げられて15%とされることになりました。
地方税と合わせても20%強の税負担率です。年間法人課税所得800万円以下の部分については、新興国なみの税率になってきました。

経済産業省の資料によると、日本の法人税率は、35%に下がっても諸外国と比べるとまだまだ高く、引き下げ余地が大きいことが分かります。
引き続き法人税率の低下が議論されていくことを期待します。

次に所得税です。
高額所得者の給与所得控除に制限が設けられました。
非上場中小零細企業オーナーは、所得税負担が増大します。報酬を取るよりも法人に留保したほうが手元に残る資金は大きくなります。
ある程度報酬を抑え、退職金を大きく支給することにより、生涯累計の所得税を節税するという考え方があります。退職金は大きな退職控除があり、控除を行った後の所得の1/2が課税所得になるため、同じ税率で課税されても負担する税額は少なくなります。
今回、この退職金にも規制が設けられました。
勤続年数5年以下の役員に対して支給される退職金については、退職所得控除後の所得を1/2する制度がなくなりました。
3年程度で天下りを繰り返すような人たちの退職金には大きな課税が生じることになります。これは結構なことです。
一方で、非上場中小零細オーナーで、いくつもの会社から退職金を支給してもらうというタックスプランニングについては、ある程度の制限がかかることになります。

最後に相続税です。
これは酷い改正です。
これまで相続税とは無縁だった多くの人が相続税負担を強いられるようになると思われます。
基礎控除がこれまでの5,000万円から3,000万円に引き下げられました。
一法定相続人当たりの基礎控除額もこれまでの1,000万円から600万円へ引き下げられました。
つまり、基礎控除額は4割減額されてしまいました。4割削減のインパクトはかなり大きいものがあります。
更に、これまでは生命保険金の非課税枠が一法定相続人当たり500万円とされていましたが、改正後は、この法定相続人の数え方が変わります。
改正後、法定相続人に含まれるのは、未成年、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限られることになりました。

一般家庭の現役世代にとっては深刻な問題です。

地方では、一般家庭でもある程度の土地持ちは珍しくありません。
その土地はほとんど収益は生み出していませんが、相続税評価額は高い評価額になる場合が多くあります。
これまでであれば、基礎控除枠内に収まっていた相続財産が、改正後は基礎控除枠を超えてしまうという可能性があります。
親の相続が発生し、思いもしなかった相続税負担が生じ、現金がないため納税資金作りに頭を悩ませるという事態が想定できます。対策を打つ方はほとんどいないと思われるため、影響は深刻な場合があるでしょう。

また、生命保険金控除枠の削減も大きく影響すると思われます。
被相続人が60代から70代の場合には、生命保険金が支払われるケースが多く、数千万円単位になることもあります。
これまでであれば保険金を含めた相続財産は、相続税の非課税枠と保険金の非課税枠の範囲内に収まり、課税されなかった場合でも、今後は課税が増えることが予測されます。
独立した子供は親と別居している場合が多く、保険金の非課税枠が一切使えないことも想定できるためです。

また、現役世代の多くは、生命保険に加入しています。
規模の大きな会社に勤務している場合には、会社が保険に入ってくれていて、死亡すれば遺族に多額の保険金が支払われることも多くあります。
現役世代の死亡により支払われる保険金は、遺族のその後の生活に対する不安を取り除く効果があります。しかしながら、これも基礎控除枠が削減されることにより課税が増え、遺族の手元に残る現金を減らし、不安を取り除く効果が弱くなります。

相続税の増税というと金持ちにしか関係ないと思ってしまう庶民の固定概念を逆手に取った大増税です。消費税率引き上げだけを強調する報道からは見えてこない部分です。

非上場中小零細企業オーナーにとっては、当然に、相続税負担が増加します。
平成22年と平成23年の税制改正により、いくつかの単純な相続税対策は封じ込められてしまいました。
多くの対策を時間をかけて検討・実行しなれば、本当に国によって会社を潰されてしまう時代が来ようとしています。


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