2019年3月8日金曜日

小規模宅地等の特例の適用判断は慎重に

こんにちは(^O^)/
2019年3月8日の日経新聞に「オフィス空室率1.78%に低下」という記事が掲載されていました。

記事によれば、都心5区の2月の空室率は1.78%で、前月比0.04ポイントの低下。低下は7カ月連続だそうで、2002年1月以来の最低を更新したそうです。
新築ビルが軒並み入居企業を決めた状態で竣工したほか、既存ビルでも後継テナントが決まったとのこと。

平均募集賃料は1坪当たり21,101円で、前月比0.43%上昇。上昇は63カ月連続だそうで、ビルオーナーは賃料設定でより強気になってきているのだとか。
物件上昇に賃料上昇がついてきたということでしょうか。
景気のピークアウトが懸念されていますが、一段の賃料上昇を期待したいところです。


さて、先日、お客様の相続税申告書を拝見しました。
相続財産には、広大な敷地のご自宅と、小規模な収益物件がありました。
配偶者が自宅を相続し、ご自宅の敷地の一部について小規模宅地等の特例を適用し、ご自宅土地の評価を圧縮していました。

小規模な収益物件の評価を見てみると、地積はかなり小さいものの、正面路線価はご自宅の数倍の路線価です。
試算してみたところ、小規模な収益物件とご自宅を小規模宅地等の特例の対象として併用したほうが、より大きな圧縮効果を得ることができ、相続税が軽減されるという結果が得られました。
ですが、更正の請求は行うことができず、還付も受けられないという結論に至りました。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか。
今回の案件での要因は以下の二点。

一つ目は、相続税申告を担当した税理士が、小規模宅地等の特例について宅地等の利用区分をまたいで併用できることを知らなかったことです。
今回であれば、特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等について小規模宅地等の特例を併用適用でき、限度面積の範囲内で減額高を最大化させることができました。
相続申告を担当した税理士はこれを知らず、どれか一つの宅地等の利用区分で小規模宅地等の特例を適用すれば、他の利用区分で併用できないと考えていたようです。

二つ目は、相続税申告後に気が付いてしまったことです。
小規模宅地等の特例は、適用する土地を納税者が有利選択できます。
納税者に選択権を与える代わりに、当初申告におけるその宅地に係る小規模宅地等の特例の適用について何らかの瑕疵がない場合には、その後、その適用対象宅地の選択換えをすることは許されないこととされているのです。

残念ですが、お客様は更正の請求を諦めました。

小規模宅地等の特例の適用は、どの宅地に適用するかで相続税額が変わります。
全体の相続税額だけを見れば、圧縮効果が高い宅地から順番に選択すれば良いということになります。
しかし、ここに「誰」が相続した「どの宅地」という観点が入ってきます。そうなると相続人の間で合意形成ができない場合が出てきます。この特例は、適用を受ける人だけが得をする優遇税制なのです。

小規模宅地等の特例のメリットを最大化させるためには、複数のシミュレーションや事前の合意形成など慎重な判断や準備が必要です。
後からやり直しは効かないとなれば、なおさらですね。

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